MarinaBay
マリーナ・ベイ・サンズとガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

 こんな景色を見てるととてもシンガポールは独裁国家には見えませんが。治安が良いのにはもちろん理由があります。

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 歴史的な米朝首脳会議を2018年6月12日に控え、その会談の場所となるシンガポールが連日話題になっています。

 そもそも、なぜ会談の場所がシンガポールになったのかは不明ですが、シンガポール目線から考えると何より世界へのアピールでしょうね。

 首脳会談が行われる「カペラホテル」のあるセントーサ島や、金正恩が宿泊するとされる「フラトンホテル」はマーライオン公園の眼の前にあり、マーライオンが世界中のニュース映像に使われ、その宣伝効果は計り知れません。

 また国際的な地位向上にもつながるので一石二鳥です。(その分警備費用はかさむと思いますが、トータルではプラスかと)

 そこで思い出すのがF1のシンガポールグランプリ。

  一般の公道を使って夜間に行われますが、マリーナ・ベイ・サンズの夜景がこれ以上ないくらい美しい。レースを見るというより、シンガポール観光の宣伝ビデオを見ているような気になります。

 公道を一時期貸し切りにし、コストがかさむという噂のF1を開催できるのも独裁国家シンガポールならではしょうか?(宣伝上手いよなぁ)

 今回は、米朝首脳会談が行われるようになった理由の1つであるシンガポールの治安の良さと理由についてまとめてみました。

1. シンガポールがなぜ明るい北朝鮮と言われるのか?

 シンガポールが「明るい北朝鮮」と言われてるのをご存知でしょうか?そもそもシンガポールと北朝鮮には何も共通点がないように思われるかもしれません。

 片や日本を遥かに追い越し国民一人ひとりあたりの所得がアジア一。片やアジアの最貧国。


 しかしこの二国には意外な共通点があります。そう独裁国家であるということです。

 えっ、シンガポールは選挙のある民主主義国家でないの?と思われるかもしれません。確かに選挙はありますけど。。シンガポール発足以来、人民行動党が政権を握っています。


 独立以来一貫して与党の座にあり、開発独裁体制のもとシンガポールを現在の経済大国に成長させた。

 これがWikipediaの一言目の説明です。

 開発独裁というは「経済発展の為には政治的安定が必要であるとして、国民の政治参加を著しく制限し、独裁を正当化すること」で東南アジアではかつて、フィリピン・インドネシア・タイ・マレーシアでもみられたものですが、シンガポールはいまだにそうなんですね。

更に野党に関しては恐ろしい記述があります。

 シンガポール労働者党など他の野党を認めているが、野党候補を当選させた選挙区への冷遇、演説会場への警察官配置、与党政治家の政策を批判した者を個人的な名誉毀損にすり変えての刑事処分などの手法で独裁政党の地位を確保している。

 野党議員を当選させた地区だけ税金が高くなったこともあるそうです。しかし与党を批判したら刑事処分って。。こえー。怖すぎる。

 シンガポール国民は人民行動党にいわば投票しないといけない形式的な選挙ですが、選挙に行かないと選挙権を剥奪されたり、罰金があったりなど、厳しいペナルティがあります。(この辺は北朝鮮と酷似)

 政府批判をしたら国外退去、デモは一切禁止。(この辺も北朝鮮)

 さらに事実上の世襲制。

 初代首相はシンガポール建国の父リー・クアンユー。

 2代目の首相はゴー・チョクトンリー。しかし彼は息子リー・シェンロンへの「中継ぎ」とも「リーのクローン」ともいわれ、リーの政策を踏襲。

 そして現在3代目の首相はそのリー・シェンロンというわけです。

 まとめると、一党独裁、世襲などが北朝鮮と酷似しているということで、シンガポールは明るい北朝鮮というありがたくない言われ方をしているのですね。

2. Singapore is a FINE country.

 Singapore is a FINE country.

 という言い方をご存知でしょうか? えっ「シンガポールは素晴らしい国だ」じゃないの?

 もちろんそういう意味もありますが実はそれを言いたいのではありません。

 fineには別の意味があります。受験で覚えたという方もいるかもしれません。

 英語のfinにはfinishから想像できるように「終わり」のニュアンスがありますが、fineにも「罪を終わらせる」→「罰金」の意味があります。
 
 つまり「シンガポールは罰金国だ」が言いたいことです。
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 これが電車の中で1番普通に見られる張り紙ですね。

罰金に関してはとんでもないくらいあるので「シンガポール旅行観光.com 」の記事を引用させて頂きます。
シンガポール旅行観光.com シンガポール タバコ・ゴミ・ポイ捨てなどの罰金一覧

チューイングガムの持ち込み    1万ドル
未申告でのタバコの持ち込み    最高5000ドル 
MRT(電車)内での禁止事項(飲食など)    禁止事項により最高1000ドル 
横断歩道・歩道橋を利用せずに、そこから50m以内の場所で道路を横断    50ドル
鳥へのエサやり    最高1000ドル
公衆トイレで利用後に水を流さない場合    最高1000ドル
ゴミのポイ捨て    初犯は最高1000ドル、再犯は最高2000ドル+清掃作業など
喫煙場所以外での喫煙    最高1000ドル
ツバや痰を吐いた場合    最高1000ドル

タバコで罰金は分かりますが、電車の中で飲み食いをしただけでも罰金になります。

日本よりも、というかどこの国よりも罰金は厳しいので気をつけて下さい。

ツバを吐くと罰金は聞いたことがありましたが、トイレで水を流さない場合さえも罰金なんですね。

更に

モルヒネ・コカイン・ヘロインなど十数グラム持っていただけで即、死刑。
同性愛(ホモ)は犯罪で、最長で2年間の服役とむち打ちの刑。

 などもあります。

 人口1人あたりの死刑囚の数は、世界で最も多いとか。さすが「北朝鮮」ですね。

 ちなみに、Singapore is a FINE country. と書かれたTシャツはシンガポール中のお土産店で売られており、着ている人もよく見かけます。

3. なぜシンガポールの罰則はそこまで厳しいのか?

  ところでそもそもなぜシンガポールの罰則はここまで
厳しいのでしょうか?

 それは、シンガポールが建国された頃は人々が普通にやっていたことと密接な関係があります。

 今でこそアジアの洗練された都市のイメージがありますが、建国当時は、田舎者の中国
(福建・広東など)出身者の集まりを中心とした国でした。今のイメージとは真逆のとても汚い国だったのです。

 ツバや痰を道路にはき放題。トイレに入ったら水も流さない。

 建国の父、リー・クアンユーは客下系の華人で、戦後はイギリス一の名門ケンブリッジ大学を主席で卒業したという人物。

 イギリスで学んだのにイギリス流の民主主義は一切受け入れず、野党は存在すら認めない独裁制を確立。(中国自体もそうですが、華人に民主主義はそぐわないと思っていたらしい)

 強権につぐ強権で国を支配します。細かすぎる罰金もその1つ。瞬く間に町は綺麗になったといいます。

 ここまで規制が徹底しれば治安も良くなりますね。

4. 至るところにおびただしい数の監視カメラ

  前回のシンガポール旅行で監視カメラの存在の気づいたのは、夜遅くノベナ駅付近のあまり人通りのない地下道を歩いていた時でした。知らない町だと少し不安を感じますね。

 しかし、首を上げると至るところに監視カメラがあるのです。

 撮られると思うと気分が悪いですが、同時に守られてもいるのです。少し複雑な気分でした。

 それから注意して監視カメラを探すと、それこそ監視カメラだらけでした。街中や電車内もよく見れば監視カメラだらけ。一般的なマンションも同様。道路にも。

 これを聞いて少し複雑な気分になられる方もいるかと思いますが、このおかげでシンガポールは旅行者にはこの上なく治安が良い都市であるとも言えるのです。

 またネットの内容もかなり監視されているという噂があります。シンガポールでテロが起きる可能性はもちろんゼロとは言えませんが、テロを起こすハードルは極めて高いと思います。

5. 米朝首脳会談も治安面では不安なし

  米朝首脳首脳会談。核の全面放棄を訴える米国に対して、命綱と思える核兵器を北朝鮮が簡単に手放すとは思えず本当にうまく行くのかと考えている日本人が大半だと思います。

 これに関しては進展を見守るしかありませんが、異常なほど自身へのテロを警戒していると言われる金正恩がシンガポールを選んだ理由の1つに「全てが監視され、統制から生まれる治安の良さ」にあることは間違いないと思います。


 ところで、シンガポール国民はこの独裁体制を窮屈に思っていないのでしょうか?

 思っていはいるようです。とはいえ、独裁のおかげでシンガポールはいまや押しも押されもせぬ経済大国に。

 国民はその経済的恩恵を受けているので、多少の不満には口をつぐんでいるというの実情のようです。

 日本のマスコミは「独裁」に目くじらを立てることが多いですが、みんなで話し合って何も決まらない日本。部分的な独裁は取り入れていった方が良いのでは?と個人的には思いますけどね。