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今日の夕食は豆だけ。。。


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東京たべある記

 イギリス人は日頃どういう食事をしているのか?もちろん詳しく知っているわけではありませんが、うかがい知ることはできます。それは学校でクラスメートだった日本人の多くはホームステイをしていたからです。

よくホームステイは英語力を伸ばすのに格好の場と言います。家族と一緒に暮らす訳ですから、学校外でも英語を話す機会が格段に増えます。今も昔も留学では全寮制でもない限りは最も普通の形態でしょう。

物価の高いロンドン。そして料理もそう得意でない若い彼らが食事面の心配をしなくて済むのも大きな利点です。ホームステイは原則として朝・夕食付きが相場でした。

しかし、いわゆる普通のイギリスの家庭で彼らが口にしていたものは?というのが、今回の話です。

学校が始まりしばらくすると、多国籍な友人ができますが、やはり日本人は日本人とつるみだします。

 留学前はよく「日本人は日本人とばかりつるむから、それはいけない。日本語ばかり話していると英語力が伸びないから」と、よく言われました。なぜか留学経験がない人にも言われたほどです。かなり有名な事実なのでしょう。

 しかし、留学後に目にした光景は、「同じ人種は同じ人種でむれる」という光景ばかりでした。イギリスはアフリカに植民地を持っていたため黒人はかなり多い方だと思いますが、白人とつるんでいる姿はさほど見かけません。

 電車などに乗ると見事に、それぞれのグループが英語以外の言語で会話しています。人種のるつぼロンドン。何語かサッパリわからない言葉も聞こえてきます。どこにも現地に溶け込もうとする外国人の姿はありませんでした。

 その話はともかく、しばらくの間日本人同士の朝の会話は、ホームステイ先で前日の夜に食べた夕食がメインでした。

 ある日、日本人の女性が泣きそうな顔をして、皆に訴えています。なんと前日の夜の食事は豆の缶詰だけだったというのです。しかも味はついていないとのことでした。

 彼女はまずまず良いところにホームステイしたと考えられていました。最初の何日かは外食で、当然お金はホームステイ先持ち。家族のメンバーは皆フレンドリーで一緒にいて楽しいと言います。

 しかしそれは長くは続きませんでした。外食は最初だけで、ある日を境に食事は簡単なものになっていきます。缶詰の豆は彼らにとって普通の食事だったようです。

 しかも、煮込んで美味しい味付けがされた豆ならならともかく、缶詰を開けてでてきただけの無味。これはしびれますね。

 更に驚いたことに、そのイギリス人の家族は誰も文句も言わずにそれをそのまま食べていたそうです。「我々は食べ物には気にしないから」とか言っていたそうですが、気にしなさすぎでしょう。

ここでホームステイ先での食事について聞いた話をまとめると、3つのパターンに分けられます。

①毎日手料理を作ってくれて、種類も多く、それなりに美味しく満足。
②基本的に電子レンジでチンしておしまいのもの1品だけ。
③上記のような味のない豆のように缶詰を空けただけの超簡単なもの。

 本来は、ホームステイとはいえ、学生は客なので日頃料理しない人でもするものですが、①の幸運な人は少数派でした。

多数派は②で、電子レンジで温めただけのもの、たとえばカレーであったりラザニアであったり。

 ラザニアは比較的まともなものがスーパーで売っていましたが、ある同級生は「ラザニアが美味しい」と言ったところ、一週間毎日ラザニアだったとか。。。

③は少数派とはいえ、確実に存在しました。

 現在はでは、③のようなところは利用者アンケートなど、何らかの形で淘汰されそうですが、当事はそのようなものもなく、ネット社会も未発達で、個人は公に不満をぶつけることもできず、ほとんど我慢するしかありませんでした。

 という訳で、当初は外食の不味さに音を上げて、家でパスタなどを作ってしのいでいた自分も、急に皆で外食をすることが多くなりました。「頼むから今日一緒に食事をして」とお願いされれば、事情も知っているだけに断るわけにもいきません。

 しかし、高くて不味いロンドンの外食。豆よりもましとはいえ、良い店は滅多にありません。しかしある中華料理店を発見してガラリと状況は代わります。その話は次回に。